>> 『アニメ会公開秘密基地』
国井咲也 さん(お笑い芸人) インギー兄さんの『シボウ遊戯』 ライブ会場に颯爽と登場する国井さんは、映画「マトリックス」のキアヌ・リーブスや美少女キャラクターのメイド服などのコスプレ衣装も着こなして、長身で細身のロックミュージシャンのような素晴らしいプロポーションです。少女漫画とロックスターをこよなく愛し、自らもヴィジュアル重視を貫く国井さんに、そのダイエットスピリッツを紹介していただきます! ニルヴァーナの出現でロック・スターがあまりに「(聴いてる)自分と等身大」になってしまったって感じがあるんですよね。歌詞の世界観だけならばそれはそれで良いのだろうけど、ビジュアルもそれに追随するから個性がない。ただでさえ“華やかさ”と遠い所だからこそ支持されるタイプだから、すべてが地味、地味。ひたすら地味。そんなヴィジュアルゆえに楽曲も「友達は大事」とか「あそびにいこうよ」とか。もしくは「俺は被害者だ。イジイジ」みたいなね。なんだそれ。ロックってもっと強い音楽じゃなかったか? もっと鋼の魂がなかったか? シーンがそういう流れになるにつれ、自分のアイドルであったミュージシャンやギタリスト達は叛旗を翻してくれるだろうと期待していたが、彼等は歳を重ねたからか、小銭が出来た余裕か、みんなぶくぶくぶくぶく……長い髪もバッサリ……。 想像してくれ! ロブが『北斗の拳』のハート様のような体型でJUDAS PRIESTに戻ったら、みんな笑顔で『HELL BENT FOR LEATHER』を歌えたかっ?! 否! 否っ! 答えは否である! 節制している肉体であるからこそ憧れるのだ、崇高なのだ! だからステージで映えるのだ! だから観ている国井咲也の乙女回路はマックス・ハート化するのだ! 聞いてるか、インギー兄貴! しかし、人の事ばかり揶揄しているだけではただのダメ人間。仮にも自分もステージに立つ人間なのだから同じ立場だ。そう思うに至り、改めて鏡に姿をうつすと、そこには自分が憧れたミュージシャン達のスタイルとは程遠い肉体が……。なんとか「いや、SLAYERのトム・アラヤということで」と自己催眠をかけようと試みるも、どうみてもSLAYERとは呼べない“ムーミン谷のムーミン”な体つき。これでは岸田今日子女史のモノマネはいけても、とても『WAR ENSEMBLE』は似合わない。 「これは不味い」と早速、次の日から身体を鍛える事にした。それが一年ほど前の話。 でもこれがお定まりのダイエット法などでは面白みがない。ここぞとばかりに日頃アニメや少女漫画で鍛えている妄想力と乙女回路を利用しない手はない。 咲也的妄想ダイエットのイメージで重要なのは“自分が武道館に立っている”ところではない。“武道館ライブを終えて、ドレッシング・ルームに戻った時”なのだ。そこで売れていない頃からマネージャをかってでてくれて、雨の日もチラシをまきにいってくれていた俺の脳内幼馴染みの風香ちゃん(出典:あずまきよひこ著『よつばと!』)が「……すっごくカッコ良かったぞ」と一言! これだ! これをいってもらうには鍛えあげた肉体で汗を拭きながら楽屋に戻らねば、風香ちゃんにその一言をもらう資格などないのだ! ここでムーミンのようなカバ体型では駄目なのだ! 兎だ! イナバの白兎! イナバだイナバ! B'zの稲葉さんだ! あの身体じゃなきゃ風香ちゃんの「かっこいい」の言葉の響きにふさわしくないのだ! もしムーミンのままだったりしたらきっと「ブヨブヨの身体の男をかっこいいだなんて、風香ってキモイ」なんていわれてしまうのは自明の理だ。 そう思いこめ! ひたすら妄想しろ! 他人の言葉や「お手軽にヤセよう」などという広告に踊らされるな! 脳内の彼女の笑顔だけ信じろ! ここまでいけば過酷な食事制限も辛い筋力トレーニングだって耐えられる筈だ。 俺の場合は綾瀬風香さんでしたが、これを他の人物に置き換えるか、もしくは自分が愛してやまないミュージシャンに同化できるだけの妄想をすれば良いのです。それが“あの頃”のジェイク・E・リーなら、ダイエット用品なんか買わないで、まず白のノントレモロのストラトの黒のピックガード使用のシャーベルのギターを買うんです! そして上半身裸になって自分で持ってみなさい! お腹に張り付ける電気器具を買う余裕があるなら、ドクロが彫刻されたESPのリバースヘッドのギターを先に買いなさい! そのギターを持って鏡の前に立っているのがマシュマロマンだったら、ギタ−小僧だった昔の自分は「おおっ、カミソリ・ギター!」だとうっとりしましたかっ!? つまり、国井咲也式ダイエット成功の秘けつは、妄想力と、憧れたギターヒーローのシグネイチャ・モデルを買う事なのだ! |